当記事では公開日時点でのFIT認定されている1,000kW以上の各バイオマス発電所の情報や、公開されたことのある求人などをまとめています。(※木質チップ系燃料を使用した発電所に限定している為、木質系燃料由来のガス化エンジンやディーゼル発電所は掲載していますが、廃棄物由来のメタンガスを利用したバイオガス発電やパーム油発電所、ごみ焼却所等は除外しています。)
一応、建設予定のバイオマス発電所についても建設予定が確定していたり、情報が明確に開示されているものはなるべく載せていきます。
今回は九州地方7県(福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、宮崎県、熊本県、鹿児島県)のうち、熊本県と鹿児島県のバイオマス発電所についてご紹介します。
現在FIT認定されて運転している各県のバイオマス発電所は、僕の調べた所熊本県が9件、鹿児島県が5件ほどになっています。
燃料の略称はWC:木質チップ(未利用材、一般木材、建築廃材含む)、WP:木質ペレット、PKS:ヤシ殻となっています。
熊本県
【1993年5月運開】日本製紙矢代工場9号ボイラー
【2015年6月運開】日本製紙矢代工場バイオマス発電所
日本製紙矢代工場にある1~9号ボイラーのうち、1,2号は重油、5~8号は黒液、そして9号基が石炭火力発電所で微粉炭ボイラーには木質チップ燃料を混焼させて工場内に電力と蒸気を供給している。
9号ボイラーはIHI製の微粉炭式を採用しており発電出力は75,000kW。この電力は工場使用電力の60%以上を賄っている。
その後同工場内でバイオマス発電事業を立ち上げ、2015年に矢代工場バイオマス発電所が運開。この発電所の燃料はもともと日本製紙で確立されている製紙用原料チップの集荷網を利用して九州圏内から集荷した未利用材を100%比率で使用している。
ボイラーは三菱重工製を採用しており発電出力は6,280kW。
日本製紙が運営しており発電所単体の求人が無いので、日本製紙矢代工場オペレーターの求人情報を記載。
求人情報
【2016年4月運開】有明グリーンエネルギー
【2018年7月運開】有明第2発電所
有明グリーンエネルギーは石崎商店、九州バイオテック、松本木材が共同出資したバイオマス発電所で、2018年には第2発電所も建設されている。
燃料は両発電所とも熊本県内の製材所から出る一般木材や未利用材を使用し、ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力も同じ6,250kW。
求人情報
企業に勤めていた方のレビューを入手しました。辞めた方なので一方的な意見ではありますが、良い点は皆無ってw
【2022年4月運開】菊池バイオマス発電所
住宅用木製パネル製造販売のユニックスと産業廃棄物処理業などの石崎商店が共同出資し設立した九州再生エナジーにより運営されているバイオマス発電所。
燃料は未利用材や製材端材、建設廃材などの国産材を使用。
ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力は6,250kW。
求人情報
九州再生エナジーはシニア雇用を積極的に行っているようで、20人程度の従業員のうち50~70代がなんと10人!平均年齢は55歳だそうです!
FIT20年後問題を考えれば、むしろ一番正しい雇用の仕方かもしれませんw
【2022年8月運開】日奈久バイオマス発電所
宮崎県日向市のイワハラの子会社が運営するバイオマス発電所。
ボイラーはドイツのスパナーRe2社の熱分解ガス化CHPシステムを採用し、70kw/1基の発電システムを25基導入する。
燃料には県内の木質チップを使用し、発生した熱で果物園芸ハウスの加温や食品乾燥工場の熱源にも利用される。
求人情報
【2023年7月運開】熊本錦グリーンパワー
建設工事着工済み。テスエンジニアリング100%出資で行われるバイオマス発電事業。
燃料には未利用間伐材(丸太・林地残材・バーク)等の木質チップを使用する予定。
ボイラー機器の情報は無いものの、推定ではオーストリアのボイラーメーカ、コールバッハ社の焼却炉とのことで発電出力は1,990kW。
求人情報
同じオペレーターでも正社員と契約社員の求人があるようです。
同じ仕事内容で違う雇用形態だと、その給料格差から揉める印象があるのですが大丈夫なんでしょうか?
【2023年10月運開予定】熊本クリーンエナジー
総合解体業・廃棄物処理業、木質バイオマスリサイクル事業などを手掛ける(有)熊本クリーンサービスが立ち上げたバイオマス発電事業 。
燃料は主に熊本県内や近隣の山林から搬出される林地残材、間伐材等の未利用材などを使用する予定。
ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力は1,990kW。
求人情報
2交代勤務で休日84日!?
普通2交代は1日の勤務が長い分休日が年間180日くらいあるのが普通なのですが・・・
拘束時間長いし休日少ないならせめて好待遇で迎えて欲しいです。
【2024年6月運開予定】くまもと森林発電所
豊通グループでバイオマス事業を手掛けるエネ・ビジョンの出資の元設立されたバイオマス発電所。発電所名は「八代バイオマス発電所」
燃料には地元の未利用材と輸入ペレット及びPKSを使用する予定。
EPC及び20年間の運営保守はIHIが一括で受注し、ボイラーもIHI製の循環流動層式を採用しており発電出力は75,000kW。
熊本県内の木質専焼バイオマス発電としては、他の平均的なバイオマス発電所約6,000kW級に大差を付けて圧倒的1位の発電出力!
鹿児島県
【2015年5月運開】霧島木質発電
2022年度に九電工及び西日本プラント工業が同社株式を取得し子会社化した。
燃料は主に根曲がり材や間伐材、林地残材といった山林未利用材を利用しており、発電所に併設されている霧島木質燃料株式会社により集荷・チップ化され供給される。
ボイラーは住友重機械工業製の循環流動層式を採用しており発電出力は5,750kW。
求人情報
【2015年11月運開】中越パルプ工業川内工場バイオマス発電所
中越パルプ工業により設立したバイオマス発電所で、同社川内工場内に建設された。
燃料は鹿児島県を中心とした九州中南部地域の間伐材などの木質チップを約7割分使用する。残りは製材過程で発生する木片などの一般木材を使う。
ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力は23,700kW。
日本製紙や王子製紙など、製紙会社はFIT開始前から独自のチップ供給網を持っている為、バイオマス発電所で最も重要な燃料供給が初めから確保されているので参入しやすいんですねー
発電所単体の求人は無いが中越パルプ川内工場の求人にボイラーオペレーターの記載があったためそちらを記載。
求人情報
【2019年1月運開】七ツ島バイオマスパワー
IHI、東京センチュリーリース、九電工、鹿児島海陸運送、島津興業、南国殖産、九電みらいエナジーなど9社が出資して設立したバイオマス発電所。
燃料は未利用材と輸入ペレット及びPKSを使用。
ボイラーはIHI製の循環流動層式を採用しており発電出力は49,000kW。
求人情報
【2020年10月運開】枕崎バイオマスエナジー
日本コムシスの100%出資会社。
燃料は未利用材・一般木材でその6割がバークを使用。
処理工場では効率の高い大型の粉砕機を導入し、バーク使用時に問題となりやすいオーバーサイズを回避。
現在は原木の調達量が減少傾向にあると地元森林組合から相談を受け、梢端材(枝葉がついたもの)の利用にも積極的に取り組んでいる。
ボイラーはよしみね製のストーカ炉を採用しており発電出力は1,990kW。
採用しているストーカー炉は幅広い燃料を扱えるのが魅力だが、さらなる安定性の確保のために、燃料状態を見ながら各種燃料を配分してボイラ投入している。
求人情報
勤務形態は3交代ですが、7~22時含め4種類のパターンで回していると言う珍しいシフトになっているようです。
【2021年7月運開】さつま町バイオマス発電所
自然電力が出資し建設したバイオマス発電所。自然電力は3.11をきっかけに発電会社に在籍していた有志3人が2011年6月に設立した企業。
燃料は地域で得られる未利用材を使用し、隣接するさつま町バイオマス燃料合同会社が供給する。
ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力は1,990kW。
求人情報
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