当記事では公開日時点でのFIT認定されている1,000kW以上の各バイオマス発電所の情報や、公開されたことのある求人などをまとめています。(※木質チップ系燃料を使用した発電所に限定している為、木質系燃料由来のガス化エンジンやディーゼル発電所は掲載していますが、廃棄物由来のメタンガスを利用したバイオガス発電やパーム油発電所、ごみ焼却所等は除外しています。)
一応、建設予定のバイオマス発電所についても建設予定が確定していたり、情報が明確に開示されているものはなるべく載せていきます。
今回は中部地方9県(新潟県、長野県、山梨県、富山県、石川県、福井県、静岡県、岐阜県、愛知県)のうち、愛知県のバイオマス発電所についてご紹介します。
現在FIT認定されて運転している愛知県のバイオマス発電所は、僕の調べた所約11件ほどになっています。
燃料の略称はWC:木質チップ(未利用材、一般木材、建築廃材含む)、WP:木質ペレット、PKS:ヤシ殻となっています。
愛知県
【2000年4月運開】中山名古屋共同発電1号機
Daigasガスアンドパワーと中山製鋼所により設立された石炭火力発電所。中部電力の電源入札で開始されたIPPと呼ばれる発電所の一つで、電力の卸供給の為に発電だけを行う独立事業者。
2000年に運開しIPP売電契約15年を満了後、新たに商業プラントとして稼働。IPP時代は石炭専焼だったが、現在はバイオマス混焼を行っている。(混焼率5%)
ボイラーはIHI製の微粉炭ボイラーを採用しており発電出力は149,000kW。
発電所の保守運営はDaigasガスアンドパワーが行っている。
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【2017年6月運開】サミット半田パワー
住友商事の100%子会社サミットエナジー出資で設立されたバイオマス発電所。グループ企業には山形県にあるサミット酒田パワーがある。
燃料は国内未利用材の他、輸入PKSや助燃料に石炭も使用する。
ボイラーは住友重機械工業製の循環流動床式を採用しており発電出力は75,000kW。
FIT売電を行うバイオマス専焼発電所としては愛知県で初めて運転された、県内最大規模の発電所となります!
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【2017年9月運開】中山名古屋共同発電2号機
Daigasガスアンドパワーと中山製鋼所により設立された石炭火力発電所。中部電力の電源入札で開始されたIPPと呼ばれる発電所の一つで、電力の卸供給の為に発電だけを行う独立事業者。
2000年度に運開した1号機の隣に2017年に2号機が建設された。
1号が5%混焼率に対し2号は30%。これまで石炭と同じミルで粉砕していたため混焼率に限界があったものを、ペレット用ミルの開発を行い新たに取り付けて混焼率を上げることに成功している。
ボイラーはIHI製の微粉炭ボイラーを採用しており発電出力は110,000kW。
発電所の保守運営はDaigasガスアンドパワーが行っている。
【2019年7月運開】サーラeパワー
中部ガスとガステックサービスの共同出資で設立されたバイオマス発電所。
燃料は国内の未利用材や輸入PKSを使用。
ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力は22,100kW。
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【2019年10月運開】CEPO半田バイオマス発電
中部電力の完全子会社のシーエナジーと木材加工業大手のフルハシEPOが共同出資で設立したバイオマス発電事業。
燃料には国内材の建築廃材と輸入PKSを使用し、隣接するフルハシEPOチップ工場から供給する。
ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力は50,000kW。
発電所の保守運営はシーエナジーが行う。
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【2022年2月運開】NPLWバイオマスパワープラント
物流・チップ生産などを手掛ける名古屋港木材倉庫が建設したバイオマス発電所。名前のNPLWは「Nagoya Port Lumber Warehouse」の略。チップヤード建屋の外壁には、自然環境保全の大切さを訴えるために、ストリートアーティストユニット『HITOTZUKI』に「生命の尊厳」をテーマにした壁画が描かれている。
名古屋市は山林の少ない都市部のため、燃料には主に市内などで発生する剪定材や建築廃材を使用するという都市型バイオマス発電。
ボイラーは三菱重工製の流動床式を採用しており発電出力は1,990kW。
発電所の保守運営は名古屋港木材倉庫が自社従業員にて行う。
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【2023年8月運開予定】愛知蒲郡バイオマス発電所
中部電力と丸紅が主要出資として設立されたバイオマス発電所。
燃料には輸入ペレット及びPKSを使用する。
EPCは東洋エンジニアリングでボイラーはオーストリアのアンドリッツ製循環流動床式を採用。発電出力は50,000kW。
発電所の保守運営は中部電力傘下の中部プラントサービスが業務委託されている。
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【2024年10月運開予定】愛知田原バイオマス発電所
丸紅クリーンパワー、JAG国際エナジー、大阪ガスが共同で進めるバイオマス発電事業。
燃料には輸入木質ペレットを使用。
ボイラーは住友重機械工業製の循環流動床式を採用しており発電出力は75,000kW。
発電所の運転員はプラント員派遣業のテクノ東京が業務委託されている模様。
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【2025年4月運開予定】田原グリーンバイオマス発電所
伊藤忠商事、QME(九電みらいエナジー)、東急不動産の3社共同出資により設立したバイオマス事業。
運開後の運転保守業務は東京エネシスが担当する。
EPCは東洋エンジニアリングでボイラーはオーストリアのアンドリッツ製循環流動床式を採用。発電出力は50,000kW。
【2025年4月運開予定】田原バイオマス発電所
建設運営のマネジメント業務を行うJAPEX(石油資源開発)、現地管理運営業務を行う静岡ガス&パワー、運転後の運転保守管理を行う東京エネシス、海運荷役を行う川崎近海汽船、機械等物品調達を行う第一実業、燃料供給業務を行う岩谷産業、事業開発者のSolariant Capitalら7社が出資しているバイオマス発電所。
燃料は輸入ペレット。2022年9月に工事着工済み。
ボイラーは三菱重工製の循環流動床式を採用しており発電出力は50,000kW。
【2025年9月運開予定】田原バイオマスパワー
FE、中部電力、東邦ガス、東京センチュリーの共同出資事業。
燃料には輸入ペレットを使用する。
EPCはJFEエンジニアリングでボイラーはフィンランドのバルメット製循環流動床式を採用。発電出力は112,000kW。
発電所の保守運営は蒲郡バイオマスと同じで中部電力傘下の中部プラントサービスに業務委託されている模様。
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田原市は発電出力50MW以上のバイオマス発電所が4件も稼働予定の激戦区!!
この4件が無事に立ち上がれば、バイオマス専焼での合計発電出力は全国でもトップクラスになります!!
・・・というか名前がややこし過ぎてどこがどこだか分かりづらい!w
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