運転員の居眠りで発電所が停止しました・・・

こんにちは！チャーメンです。
これまでは全国のバイオマス発電所情報をずっと載せていたので久しぶりの投稿です！

出勤したら発電所がすでに停止してた

先週、僕が朝出勤すると中央操作室の夜勤班と朝勤班がなにやら大慌てでDCSを操作したり現場を走り回っていました。

こういう時は１００％トラブルが起こっているので嫌な予感を感じながら状況を聞くと、僕が到着する３０分ほど前に発電所が停止していました。
原因を詳しく聞くと、燃料供給設備にブリッジと呼ばれる燃料搬送不良のトラブルが起こり燃料が正常に炉内へ供給されず燃焼不良となったとのことでした。

このブリッジと言うトラブルは過去にもよく起こるトラブルだったので対応手順も確立されており、そういった際はすぐにDCSからブリッジ解消用に設置されている機械を起動、それでも駄目ならすぐに供給系統の回転数を下げて発電出力を落とし供給不良に備えながら現場でブリッジ解消作業を実施してもらう。
という手順で対応することになっていました。

過去に何度も起こったこのトラブルですが発電所停止になるほどの事態は今までなかったので現場の状況を詳しく聞いた所、説明をしている夜勤班の歯切れが悪い・・・

居眠り自体は僕自身も経験有るのでまだ理解できますが、ブリッジや炉内温度低下の警報は結構大きな音が鳴ります。
しかも操作履歴を確認すると警報が鳴ってから30分以上何も操作されておらず、この時間ずっと放置して居眠り出来るの？という疑問が湧きもっと問い詰めた所

警報音が鳴るモニター設定をオフにしていたことが発覚

居眠りは分かる。居眠りは分かるけどこれはやったらあかん！
発電所を運転監視する職務を行う立場でその監視業務を自らの意思で放棄したことになります。

これでは何のために運転員がいるのか、そして会社が給料を払っているのかわかりませんよ！！

発電所の再起動

警報をオフにして居眠りした挙句発電所を停止させたということで出社してきた所長はカンカン。
流石に僕もその運転員を厳重注意しましたが、そうはいってもお説教より発電所を再起動させるのが最優先です。

幸い停止原因がブリッジによる供給不良だったので、設備の再稼働はすぐ出来る状態。
炉内温度もまだ数百℃あったので早めに立ち上げようということで朝一からプラント再起動操作を行うこととなりました。

居眠りをしていた運転員さんは始末書（トラブル報告書）を書くことになったので再起動操作を行うのは1勤務者＆もう一人の3勤者＆僕の4人体制で、特に何事も無く順調に操作していました

ですが同じ中央制御室内で始末書を書いている運転員さんとその横で説教する所長達のせいで室内の雰囲気は最悪。起動自体はうまくいったのでまだ良かったですがこれで起動に失敗していたらと思うと・・・考えるだけで胃が痛いよぅ・・・

実は10月から僕がボイラー・タービン主任技術者に選任されているのですが、まさか選任早々こんなトラブルに見舞われるとは本当運が無いですね。

その後の対策は？

発電所はその日のうちに定格出力まで起動出来ました。
居眠り運転員さんはというと所長からこれでもかと言うほど説教を受けていたので僕がこれ以上言うことは無いかなと思い、始末書を提出してもらった後は何も言わずに帰ってもらいました。

さ、ここからがむしろ我々の本番です。

「警報音を消して居眠りした挙句発電所を止めた」

という前代未聞のトラブルに対しての上層部への報告と対策を考えなければいけません。

会議室では僕含め所長、副所長、運転課長、設備課長らが集まり定時までほぼノンストップでの会議（半分は運転さん達への愚痴）を行い今後どうするかの提案が行われました。

寝させない・・・と言うのが最も最適な解決案なのですがそれで解決としてしまうのもどうかと言うことで喧々諤々の議論が行われた結果

「DCSのモニター音量をオペレーター権限では変更できないよう設定を変更する」

という案に落ち着きました。

これ以外の案には中央制御室に監視カメラを設置するなどもありましたが、居眠り対策にならないしここまでするとただでさえモチベの低い他の運転員さんに影響でそうなので却下しました。

こうしたやらかしをされると、運転員全員の印象も悪くなってしまうし対策などで他の運転員さん達にも悪い影響が出るので本当に辞めて欲しいですが・・・正直こういう人は性根が変わらない限り今後も何かやらかしそうです。