全国バイオマス発電所情報【新潟県/長野県/山梨県】

全国バイオマス発電所情報

当記事では公開日時点でのFIT認定されている1,000kW以上の各バイオマス発電所の情報や、公開されたことのある求人などをまとめています。(※木質チップ系燃料を使用した発電所に限定している為、木質系燃料由来のガス化エンジンやディーゼル発電所は掲載していますが、廃棄物由来のメタンガスを利用したバイオガス発電やパーム油発電所、ごみ焼却所等は除外しています。)

一応、建設予定のバイオマス発電所についても建設予定が確定していたり、情報が明確に開示されているものはなるべく載せていきます。

今回は中部地方9県(新潟県、長野県、山梨県、富山県、石川県、福井県、静岡県、岐阜県、愛知県)のうち、新潟県、長野県、山梨県のバイオマス発電所についてご紹介します。

現在FIT認定されて運転している各県のバイオマス発電所は、僕の調べた所新潟県が5件、長野県が5件、山梨県が2件ほどになっています。

燃料の略称はWC:木質チップ(未利用材、一般木材、建築廃材含む)、WP:木質ペレット、PKS:ヤシ殻となっています。

新潟県

【2016年10月運開】バイオパワーステーション新潟

福島県で林業を運営するノーリンとリサイクル業の大橋商会(新潟市)が共同出資して設立されたバイオマス発電所で、グループ企業に福島県のグリーン発電会津がある。

燃料は県内の森林で発生する間伐材などの未利用木材に加えて、製材後の端材や建築廃材を利用する。

ボイラーは住友重機械工業製の循環流動層式を採用しており発電出力は5,750kW。

グループで実現する森林循環システム - 株式会社ノーリン
地球規模で問題になっている環境問題。ノーリンでは広い意味での森林の再生活用を目的とし、グループで森林を育てることからはじめ、育てた木を利用して燃料チップを製造し、その燃料チップを使ってバイオマス発電を行うという循環システムを構築しています。

求人情報

チャーメン
チャーメン

転職サイトに当発電所の口コミが載っていました。

近くに石膏会社があり粉塵が多い環境とのことですが、バイオマス発電所は多かれ少なかれ粉塵環境下での作業とは切っても切れない関係なので、ある程度割り切る必要もありますね・・・

【2017年9月運開】SGET三条バイオマス発電

スパークグループの子会社で再エネ事業を行っているスパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(SGET)及びグリーンサーマルなどが出資して設立した発電所。

燃料の約90%以上は主に発電所から50km以内の中越地方の林業から排出された間伐材を使い、補助燃料としてPKSも使用。

ボイラーはタクマ製の流動床式を採用しており発電出力は6,250kW。

発電所の保守運営はグリーンサーマルに業務委託されている。

SPARX Green Energy & Technology
スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社は再生可能エネルギー発電所を開発・管理・運営する会社として2012年8月に設立されました。新しいグリーンエネルギーエコシステムの構築を実現するために、再生可能エネルギー発電事業へのファンドによる投資を進めております。

求人情報

【2024年1月運開予定】十日町バイオマス発電所

福岡を拠点に再生可能発電の開発などに取り組む「シフトエナジージャパン」が主導で行われるバイオマス発電事業。

燃料は地元の間伐材を使用。

ボイラーはドイツのAHT(アーハーテー)社によるバイオガス化CHPで、出力500kW設備を4基導入し合計出力は1,990kW。AHTは気仙沼地域エネルギー開発に導入された400kW×2に次いで2案件目。

十日町市四日町に「バイオマス発電所」建設 2024年1月に運転開始 - 十日町タウン情報
十日町市四日町に、間伐材を燃やして発電する「バイオマス発電所」が建設されることになり、工事を前に12日(月)に

【2024年8月運開予定】BIOPAエネルギーステーション出雲崎

建設業のダイエープロビス(株)や(株)ネクストなどが 2020 年に設立した有限責任事業組合「新潟BIOPA(ビオパ)」が進めているバイオマス発電事業で、出雲崎町乙茂(おとも)の民有地を購入し発電施設とチップ工場を建設する。2023年春に工事着工済み。

発電施設の名称はBIOPA (びおぱ)と読む。

燃料は県産の間伐材を県内の林業事業者から買い取る予定。

ボイラーメーカーや炉型の情報は不明で発電出力は1,990kW。

【2029年運開予定】新潟東港バイオマス発電所

エイクス、東北電力などの共同事業で設立したバイオマス発電所。

燃料は輸入ペレットがメイン。

EPCは東洋エンジニアリングが請け負う。ボイラーはアンドリッツ製の循環流動層式を採用し、発電出力は50,000kW。

運転保守は東北電力が担当する。

チャーメン
チャーメン

当初は2024年10月度に運開予定でしたが「環境アセスメントに必要な使用燃料を巡る資料が調わなかったことなどが要因」として着工が2026年、運開予定が2029年度と3年遅れとなりました。

長野県

【2006年4月運開】いいづな お山の第1発電所

【2014年12月運開】いいづな お山の第2発電所

長野県の山林事業を行う宮澤木材産業(株)が主体となって、北信地域の山林事業者、廃棄物処理業者、建設事業者等7社で長野森林資源利用事業協同組合を設立し第1発電所を建設した。

第1発電所の燃料は主に建築廃材などを使用しRPS制度により売電を行っていたが、FIT制度開始後はFITへ移行。その後未利用材を使用する第2発電所を2014年に稼働させた。

ボイラーは1,2号共によしみね製のストーカ炉を採用しており発電出力は1号が1,300kW、2号が1,500kW。

発電所の保守運営や燃料供給は全て宮澤木材が自社で行っている。

長野森林資源利用事業協同組合 | 宮澤木材産業株式会社|森林整備事業・運輸事業・環境事業・製材事業・電力事業・長野市
いいづなお山の発電所では、森林整備に伴う間伐材などの未利用木材、隣接する製材所から排出される端材、建設廃材など木質由来の廃棄物をチップ化した木質バイオマス燃料のみを使用して発電しています。また、いいづなお山の製材所では、主に長野北部で伐採された木材を使用した梱包用木材の製材を行っています。オートメーション化した工場で高...

求人情報

【2016年8月運開】安曇野バイオマスエネルギーセンター

エアウォーター(株)が立ち上げたバイオマス発電事業。

燃料には県内の木質チップを使用し、発生した熱でトマト園芸ハウスの加温熱源にも利用される。

ボイラーはドイツのスパナーRe2社の熱分解ガス化CHPシステムを採用し、500kw/1基の発電システムを40基導入している。

チャーメン
チャーメン

発電所の名前にも入っている所在地の安曇野市は「あづみの」と呼びます!

国内初・ガス化発電方式による「トリジェネレーション事業」を開始 ~発電で排出される熱・CO2をトマト栽培に利用し、持続可能な林業・農業に寄与~ | 事業製品ニュース | 事業紹介 | エア・ウォーター株式会社
エア・ウォーター株式会社の国内初・ガス化発電方式による「トリジェネレーション事業」を開始 ~発電で排出される熱・CO2をトマト栽培に利用し、持続可能な林業・農業に寄与~をご覧いただけます。

【2020年7月運開】信州ウッドパワー

清水建設とトヨタUグループの共同出資で立ち上がったバイオマス発電所。

燃料は県内の間伐材などの未利用材を使用する。

ボイラーは三菱重工パワーインダストリー製の流動床式を採用しており発電出力は1,990kW。

少人数・未経験者の多い人員の中で安定運転できるよう、運転状況はメーカーの三菱も遠隔モニタリングしており、状況に応じ効果的なサポートを受けられるようになっているとのこと。

モニターは監視画面だけでなくデータログも共有し、日常点検におけるデータ記録はタブレット等を利用し、データを把握している。それらのデータをメンテナンスに活用できるよう蓄積、プラントメーカーとも共有することで、早期の対策が可能になっている。
また、ポンプ、ファン、電動機に振動センサーを取り付けて、故障予測、予防保全に活かすなど、プラントメーカーとも連携し、メンテナンスにおいても意欲的かつ継続的なイノベーションに取り組んでいる。

信州ウッドパワー・信州ウッドチップ

会社のサイト内に採用情報はあるが現在募集は行っていない模様。

【2020年10月運開】ソヤノウッドパワー

信州Fプロジェクトにて発足された征矢野建材、九電みらいエナジー、九電工、北野建設らが共同出資で設立したバイオマス発電事業で、征矢野建材が同施設内に燃料ヤードを建設している。

燃料には県内で発生する間伐材等の未利用材や木材加工施設から発生する製材端材を使用する。

ボイラーは荏原製の独自技術である内部循環流動床式を採用しており発電出力は14,500kW。

発電所の保守運営は荏原環境プラントが業務委託されている。

ソヤノウッドパワーをめぐっては、北野建設が2023年3月期に「債務保証損失引当金(約7億円)」を計上すると発表している。
決定理由は「燃料調達が困難な状況で長期化が予想され、将来的にプロジェクト資金の借入返済用資金が不足した場合に株主サポート契約に基づく資金提供が必要になる為保守的な見地から監査法人とも協議の結果、将来的な損失に備えて特別損失として計上するもの」とのこと。

更に同年8月9日、征矢野建材が民事再生法の適用を申請した。

征矢野建材はチップが計画通りに集荷できなかったことに加えウッドショックによる木材価格高騰にも見舞われ、チップ原料の原木確保がますます難しくなった。

更にソヤノウッドパワーとの間で一定量のチップを確保する契約を結んでいたことから、プロジェクト向けチップの生産コストがかさみ、全量確保できない場合は補償金を支払う取り決めがあり、支払い義務も生じたことが原因となった。

チャーメン
チャーメン

森林は多くても林業従事者がいなかったり、燃料は全国的に不足している状況。内地のバイオマス発電所はどこもかなり苦戦していますね・・・

森と生きる、森を生かす|ソヤノウッドパワー株式会社 | SOYANO WOOD POWER inc.
私たちはソヤノウッドパワー株式会社は、信州F・パワープロジェクトにおいて、クリーンエネルギーカーボンニュートラルという発想の元、木質バイオマス発電という発電方法を推進している会社です。

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山梨県

【2018年12月運開】大月バイオマス発電所

大林組が主導で行うバイオマス発電事業。

燃料には、山梨県内を中心に関東圏から出る間伐材や剪定枝などの未利用材、一般木材を使用。(当初は地元の木材を燃料にする予定だったが、間伐材を刈り取って運ぶ事業者が少なく採算が取れないことを理由に産廃業者が燃料工場の建設を断念した。)

ボイラーは荏原製で、炉型は不明だが荏原の独自技術である内部循環流動床式を採用している可能性が高い。発電出力は14,500kW。

発電所の保守運営は荏原環境プラントが担う。

チャーメン
チャーメン

山梨県は森林率は非常に高いですが地域の林業が盛んではなく、燃料の製造・供給が整っていないようです。

大林組グループ 大月バイオマス株式会社 | 大月バイオマス発電株式会社は、間伐材などを活用した地球にやさしい発電所です。

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【2024年2月運開予定】DSグリーン発電甲斐

大和エナジー・インフラ株式会社が出資・運営するバイオマス発電事業で、木質バイオマス発電所の開発やコンサルティングサービスを提供するグリーン・サーマル株式会社の監修のもとで開発を進める計画となっている。

燃料には松くい虫被害木や林地残材、剪定枝、建材等の未利用材及び一般木材を使用する予定。

ボイラーメーカーや炉型は不明で発電出力は6,950kW。

2023年6月15日に燃料ヤードに保管していたチップから出火する事故が発生している。

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