当記事では公開日時点でのFIT認定されている1,000kW以上の各バイオマス発電所の情報や、公開されたことのある求人などをまとめています。
一応、建設予定のバイオマス発電所についても建設予定が確定していたり、情報が明確に開示されているものはなるべく載せていきます。
今回は東北地方6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)のうち、宮城県と秋田県のバイオマス発電所についてご紹介します。
現在FIT認定されて運転している東北地方のバイオマス発電所は、僕の調べた所宮城県で5件、秋田県で6件ほどになっています。
燃料の略称はWC:木質チップ(未利用材、一般木材、建築廃材含む)、WP:木質ペレット、PKS:ヤシ殻となっています。
宮城県
【2018年3月運開】日本製紙石巻エネルギーセンター
日本製紙と三菱商事の共同出資で設立されたバイオマス混焼発電所。
ボイラーはIHI製の微粉炭式を採用しており発電出力は149,000kW。
燃料は石炭の他、地元の未利用材や輸入ペレットを混焼(MAX30%)。
発電設備の運転および保守は日本製紙が受託し、電力はPPS(特定規模電気事業者)に販売されている。
日本製紙石巻工場の従業員が運営しているのでバイオマス発電所単体の求人は見つからなかったものの、代わりに日本製紙工場の求人があったので記載。
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【2020年11月運開】Nebio角田バイオマスパーク
再生可能エネルギーを利用して発電·電力供給を行うNebio SUPER電力が立ち上げたバイオマス発電所。
東芝プラントシステムが受注9,789kWのディーゼルエンジン発電機を4台設置して発電し、更にその排熱を利用して1,940kWの蒸気タービンによる発電を行う。総出力は41,100kW。
燃料にはパーム油を使用する。
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【2023年8月運開】石巻ひばり野バイオマスエナジー
レノバ、東京ガス、ユナイテッド計画、みずほリースの共同出資で立ち上がったバイオマス発電所。
ボイラーは住友重機械工業製の循環流動層式を採用しており発電出力は74,950kW。
燃料は木質チップ及び輸入木質ペレット及びPKS。
保守・運営はプラントの建設工事や運転・メンテナンスを主な業務とする太平電業が担う。
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【2023年11月運開予定】杜の都バイオマス発電所
前述の石巻ひばり野バイオマスエナジーと同じくレノバ、東京ガス、ユナイテッド計画、みずほリースの共同出資で立ち上がったバイオマス発電所。
杜の都の読み方は「もりのみやこ」。
ボイラーは住友重機械工業製の循環流動層式を採用しており発電出力は74,950kW。
燃料は輸入木質ペレット及びPKS。
保守・運営はプラントの建設工事や運転・メンテナンスを主な業務とする太平電業が担う。
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【2025年10月運開予定】仙台港バイオマスパワー
住友商事、プロミネットパワー、北陸電力らの共同出資事業。2022年7月に工事着工済み。オーナーズエンジニアリング及び運転保守は東京ガスエンジニアリングソリューションが担当。
ボイラーは住友重機械工業製の循環流動層式を採用しており発電出力は112,000kW。
燃料は国内チップ及び輸入木質ペレット。
バイオマス専焼発電所として最大級の112MW!!
宮城県は燃料集荷のしにくい内陸部よりは仙台や石巻など港がある地域に輸入材を使用した大型バイオマス発電が集まる傾向があるようです!!
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秋田県
【2003年2月運開】能代バイオマス発電所
企業独自ではなく地域ぐるみで建設された全国初の本格的な木質バイオマス発電所。製材協会などを組合員とする能代森林資源利用協同組合(能代製材協会、秋田県銘木センター、新秋木運輸株式会社、株式会社鈴光、アキモクボード株式会社、白神森林組合)によって運営されており、地域の製材工場などからでる樹皮や端材などをボイラーで焼却し、発生する蒸気で製品の乾燥や発電に利用している。
ボイラーはタクマ製のストーカ式を採用しており発電出力は3,000kW。
生産された電力と蒸気の大半は隣接する木質ボード工場に販売され、電力は工場や事務所などで、蒸気は木質ボードのプレス機や乾燥機の熱源として利用され、事業としての採算性も確保されている。
運転開始は2003年2月、2013年3月にFITのID認定済み。
燃料はスギ樹皮、製材工場等残材、伐根、破砕チップなど地元企業から調達する。
求人情報は見つけられず。
【2003年8月運開】日本製紙秋田工場
日本製紙工場にある1~4号火力発電所のうち4号火力発電所は2003年8月に運転開始し2013年11月にFITのID認定を受けている。
燃料には工場から排出されるPS(ペーパースラッジ)やカットタイヤ、木屑などを使用。
ボイラーは荏原製の流動床式を採用しており発電出力は15,000kW。
同工場内では112MWという発電出力規模でのバイオマス専焼による発電事業を目指していたものの、2019年2月に本計画について十分な事業性が見込めないと判断し検討を取り止めています。
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バイオマス発電所単体の求人は見つからなかったものの、代わりに日本製紙工場の求人があったので記載。
【2016年5月運開】ユナイテッドリニューアブルエナジー
ユナイテッド計画、フォレストエナジー、レノバの共同出資で誕生したバイオマス発電所。
ボイラーは住友重機械工業製の循環流動層式を採用しており発電出力は20,500kW。
燃料は県内の木質チップ及び輸入PKS。主燃料となる木質チップは、県内各地域の素材生産事業者(兼林業者)とのチップ供給契約により、県内全域から供給される。
2018年3月7日にPKSの燃料置き場から出火する事故が発生している。
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【2019年1月運開】大仙バイオマスエナジー
筆頭株主は青森の津軽バイオマスエナジー、岩手の花巻バイオマスエナジーと同じ㈱T・Vエナジーホールディングスで、バイオマス発電をはじめとする再生可能エネルギー事業を共同で行うことを目的として設立したタケエイとヴェオリア・ジャパンとの合弁会社。
燃料は地元からの未利用材を中心に利用する。
自社工場内にチップ製造工場を保有しており、通常の燃料である切削チップに代わる新燃料として、丸太の樹皮(バーク)を細かく破砕した、バーク材の自社生産を開始している。
ボイラーはタクマ製の流動床式を採用しており発電出力は7,050kW。
この発電所では発電設備冷却後の温水を有効する為、地元業者と協力し床に発電所からの温水を循環させた床暖房設備を設けた新たなバス停を建造。これで冬場でも室温を15℃程度まで保たせることができるそうです!
バイオマスボイラーの元々の利用目的である熱供給を有効活用した良い事例だと思います♪
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【2024年1月運開予定】釈迦内バイオマス発電所
資本金1000万円で、地元の北秋容器の経営者や従業員らが個人で出資して設立されたバイオマス発電事業。2023年5月に着工し、2024年1月の運転開始を目指す。社長は大館市の副市長も務めた吉田光明氏。
燃料は主に地元の間伐材の木質チップを使用する。
ボイラーメーカーや炉形式はまだ不明で、発電出力は1,990kW。
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【2026年8月運開予定】リージョナルパワー
大手総合木材メーカーの中国木材が設立した発電事業会社リージョナルパワーにより設立されたバイオマス発電所。
中国木材の能代工場敷地内に建設され、同工場から発生するおが粉やバークなどを燃焼させ発電させるとのこと。
ボイラーはタクマ製を採用しており炉形式は不明だが恐らくストーカ式または流動床式だと思われる。発電出力は9,990kW。
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