全国バイオマス発電所情報【三重県/滋賀県/京都府】

全国バイオマス発電所情報

当記事では公開日時点でのFIT認定されている1,000kW以上の各バイオマス発電所の情報や、公開されたことのある求人などをまとめています。(※木質チップ系燃料を使用した発電所に限定している為、木質系燃料由来のガス化エンジンやディーゼル発電所は掲載していますが、廃棄物由来のメタンガスを利用したバイオガス発電やパーム油発電所、ごみ焼却所等は除外しています。)

一応、建設予定のバイオマス発電所についても建設予定が確定していたり、情報が明確に開示されているものはなるべく載せていきます。

今回は近畿地方2府5県(三重県、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県)のうち、三重県、滋賀県、京都府のバイオマス発電所についてご紹介します。

現在FIT認定されて運転している近畿地方のバイオマス発電所は、僕の調べた所県三重が6件、滋賀県が1件、京都府が1件になっています。
(※三重県7番目のパワーエイド三重に関しては、正確にいうとFIT制度を利用したバイオマス発電所ではありません)

燃料の略称はWC:木質チップ(未利用材、一般木材、建築廃材含む)、WP:木質ペレット、PKS:ヤシ殻となっています。

三重県

【2014年11月運開】三重エネウッド

農山漁村再エネファンド(農山漁村再生可能エネルギー投資事業有限責任組合)など、三重県松坂氏の林業関係社を中心に設立されたバイオマス発電所。

燃料は主に県内の未利用材や一般木材を使用する。

ボイラーはタクマ製の流動床式を採用しており発電出力は5,800kW。

2016年に「中部プラントサービス・三重エネウッド 木質バイオマス燃料調達共同企業体」を設立。多気町で多気バイオマスパワーを運営する中部プラントサービスと共同で燃料を集荷し供給している。

三重エネウッド株式会社
チャーメン
チャーメン

この発電所では自社設備の他にも業務委託による他者発電のサポート事業も手掛けているようで、実際に2023年に運開した岐阜県土岐市のSGET土岐バイオマス発電の運転管理を委託されているらしいです!

求人情報

【2016年6月運開】多気バイオパワー1号機

プラントの設計やメンテナンス業務を行っている中部プラントサービス(株)主導で建設されたバイオマス発電所。

燃料は地元で集荷される未利用材や一般木材を使用する。
前述した三重エネウッドと2016年に「中部プラントサービス・三重エネウッド 木質バイオマス燃料調達共同企業体」を設立し共同で燃料を集荷し供給している。

ボイラーは三菱重工製の流動床式を採用しており発電出力は6,700kW。

発電所の保守運営は事業者でもある中部プラントサービスの従業員で行われている。

バイオマス発電 - 発電事業|株式会社中部プラントサービス
中部プラントサービスの発電事業 - 「バイオマス発電」をご紹介します。

【2016年7月運開】グリーンエナジー津

JFEエンジニアリングを主体とし、日本政策投資銀行、日本通運、阪和興業、大中物産、岡谷鋼機ら6社の共同出資で設立されたバイオマス発電所。

燃料には津市の地域資源である未利用間伐材等を利用する他、輸入PKSも使用する。

ボイラーはJFEエンジニアリング製の循環流動床式を採用しており発電出力は20,100kW。

発電所のO&MはJFEエンジニアリングが受注している。

バイオマス発電所が完成、本格商業運転開始 | ニュースリリース | JFEエンジニアリング 株式会社

【2018年1月運開】バイオマスパワーテクノロジーズ

再生可能エネルギー事業のコンサルティングを手掛けるインテグリティエナジーやガスアンドパワーらが主導で設立されたバイオマス発電所で、発電事業の他にも林業事業も自社で行っている。

燃料は未利用材の他にも剪定材など一般木材や建築廃材も使用し、ウッドピア木質バイオマス利用協同組合により全量が供給されている。

ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力は1,990kW。

発電出力2,000kW未満の未利用材は40円/kWと高売電単価となる小型未利用材枠だが、燃料集材リスクのある未利用材の新規集材を行うのではなく既設発電所向けの未利用材燃料保管ならびにチップ生産時に大量に発生する歩留り材(バーク)を積極的に活用して発電利用に回す。

2021年に国際紙パルプ商事の「Bmecomo(データ解析技術による発電所の運転・設備・事業など管理業務支援)」を導入している。

バイオマスによる「林業イノベーション型地方創生エネルギー事業」の推進 | バイオマスパワーテクノロジーズ
バイオマスによる「林業イノベーション型地方創生エネルギー事業」の推進を目指して- パラダイムシフト世界は急速に変わりつつある。
チャーメン
チャーメン

燃料の大部分が粗悪な土場の端材や剪定材でも事業を無事成功させているという珍しい発電所!

求人情報

【2020年5月運開】四日市バイオマス発電

中部電力出資により設立されたバイオマス発電所で、JERA四日市火力発電所構内に建設されている。

燃料は全て輸入材のペレット及びPKSも使用。

ボイラーは住友重機械工業製の循環流動床式を採用しており発電出力は49,000kW。

発電所の保守運営は中部電力又は関係グループ企業により行われていると思われる。

四日市バイオマス発電所の営業運転開始について - ニュース|中部電力
中部電力からのプレスリリースです。

【2022年11月運開】多気バイオパワー2号機

プラントの設計やメンテナンス業務を行っている中部プラントサービス(株)主導で建設されたバイオマス発電所。2016年に1号機が建造され、その後2022年に2号機が運開した。

燃料には1号機と同じく地元で集荷される未利用材や一般木材を使用。
中部プラントサービス・三重エネウッド 木質バイオマス燃料調達共同企業体にて共同で燃料を集荷し供給している。

ボイラーは三菱重工製の流動床式を採用しており発電出力は1,990kW。

発電所の保守運営は1号機と同じく事業者の中部プラントサービス従業員で行われている。

【2025年1月運開予定】パワーエイド三重シン・バイオマス松坂発電所

松坂市でバイオマス発電事業を行っているバイオマスパワーテクノロジーズが主体で設立されたバイオマス発電所。

燃料は主に中部圏から排出されるリサイクル木材チップおよびRPFで、他にも多気町にあるホクト(株)の三重きのこセンターから排出される廃菌床も使用する予定。

ボイラーはタクマ製のストーカ炉を採用しており発電出力は1,990kW。

発電所の名称にもある【シン・バイオマス™】は商標登録出願中。
これは従来バイオマス発電所で行われてきた、廃棄物を廃棄物として処理する方法ではなく、有価物すなわち製造業由来の生産副産物として買取ってエネルギー資源として利用するという新しい燃料コンセプトとして考えられており、FITに頼らないNONーFIT型ハイブリッド発電事業を行うとのこと。

チャーメン
チャーメン

この発電所はNONーFITで売電する為FIT認定されておらず、FIT売電するバイオマス発電所を紹介するこの記事の趣旨とは厳密には異なりますが、面白い取り組みをしている珍しいバイオマス発電所ということで特別に記載させて頂きました!

今後もこう言った色んな形のバイオマス発電所が作られて持続性のある事業となっていってくれれば良いですね!

滋賀県

【2015年1月運開】いぶきグリーンエナジー

地元滋賀県の木材廃棄物リサイクル業者である山室木材が出資して始まったバイオマス発電事業で、2023年時点では滋賀県内唯一の木質バイオマス発電所。

燃料は事業者の山室木材が自社で集荷した県内や東海・北陸地方の事業所から出る建築廃材や一般木材。

ボイラーはタクマ製の流動床式を採用しており発電出力は3,550kW。

いぶきグリーンエナジー株式会社
チャーメン
チャーメン

詳細は開示されていないものの、同市内に7,100kW級の「いぶきバイオマス発電」が立ち上がるとの情報があります。山室グループの2基目が建設されるのかもしれません!

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京都府

【2020年5月運開】林ベニヤ舞鶴バイオ発電所

合板メーカーの林ベニヤ産業が舞鶴工場に建設したバイオマス発電所で、2023年時点では京都府唯一の木質チップ専焼のバイオマス発電所。

燃料となる木質チップの大半は自社工場の合板端材で賄い、そのほかにも府内を中心として未利用材も使用する。

ボイラーはタクマ製を採用しており炉型は不明だがストーカ炉または流動床式と思われる。発電出力は6,800kW。

発電所の保守運営はタクマテクノスが業務委託されている模様。

林ベニヤ産業株式会社
林ベニヤ産業株式会社,針葉樹合板,合板の製造販売,建材

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チャーメン
チャーメン

滋賀県は森林面積も少なく内陸部なのでバイオマス発電所建設に向いてないのは分かります。

京都府はそこまで森林面積も少なくないし、もっと多く建設されていてもおかしくはないと思うのですが・・・林業や木材業者の少なさがネックなのでしょうか?

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