皆さんはいきなり発電所のお仕事と聞いても、あまりピンとこないと思います。
何やら専門的な難しい仕事を思い浮かべるかもしれませんが、実はそんなことは一切ありません!
弊社も入社してくる人はほとんどが業界未経験ですが、今はしっかり知識や技量を身に着けて働いてくれています。
一般的なバイオマス発電所の組織はそこまで細分化されおらず、どこも大きく分けて「運転課」「保全課」「総務課」の3つあたりに分類されることが多いので、今回の記事ではこの3つの組織の仕事内容についてご紹介していきます。
運転課
運転課では運転員と呼ばれる人たちが中央制御室という所で温度や圧力などに異常が無いか監視しています。発電所は基本的に24時間稼働しているので、運転員の人達も交代勤務で土日祝日関係なく働いています。
運転員の構成は4班2~3名体制で全体の人数で言うと8~12名程度、ここに保全関係を行う日勤班も加わり5班体制となる場合もあります。
仕事のメインは中央制御室での発電所監視業務と現場設備の巡視点検業務で、どちらの業務も基本的には異常の有無を確認するのが目的です。
この業務中に何か異常が確認された場合は上司へ連絡するか、自前で対応できるものなら運転員だけで対応します。
他にも異物コンテナをフォークリフトで運んで捨てたり、灰タンクに貯蔵されている灰の引き取りトラックへの積み込み作業したり、汚れてる現場を掃除したり・・・発電所によってはコンベアへの燃料供給をホイールローダーで投入する業務が必要となる会社もあり、その業務も運転員が行っています。
このように外での現場仕事も多いので、僕の前職で「中央制御室で座ってるだけで良い」と思って入社してきた人が「こんなに現場で仕事しないといけないなんて聞いてない!」と言って数か月で辞めてしまったこともありました。
・・・そんな楽な会社あるわけないだろっ!!
保全課
保全課では発電所の機械や電気設備が故障したり不具合があった際に補修を行います。
不具合対応以外にも設備改修工事や1年に1回発電所を停止させて行う大規模な定期修理の為の計画や工事会社の見積もり発注や手配等、定常時でもやることは多いです。
構成人数は会社にもよりますが現場で実際に補修対応を行う人が2~3人と事務処理関係を行う管理職が1~2人と言った感じで、意外と数は多くありません。
もう少し層が厚い所だと保全の中でも機械班と電気班に分かれている場合もあります。
大規模なバイオマス発電所にはこの部署があるのですが、小~中規模のバイオマス発電所になると人数削減の為かこの部署自体が無い所も多くなります。その場合の保全課の仕事は、事務処理関係をスタッフが、現場の実作業を運転員が担当していることが多いです。
また、大規模発電所であっても従業員を直接雇うのではなく、保全仕事を行う別会社と契約して常駐してもらっていたり何かあった時だけ別途で呼び出しで対応している所もあります。
総務課
総務課では従業員の給料や勤務管理に加え発電所で使用する燃料や薬品、備品類の発注・受入管理や産業廃棄物のマニフェスト管理など、発電所の運営に関する業務を一手に行います。
人員としては管理職1~2名に事務員1~3名程度と保全課と同じく少数な構成だと思います。
会社によっては燃料の仕入れは燃料課という専門部署に分けている場合もあります。
この部署も保全課と同じく人数の少ない小型のバイオマス発電所によっては燃料・資材管理やマニフェスト管理は運転課で行う為総務課は給料管理を行う事務員が1名だけ、といった所もあります。
最後に
今回紹介した組織はこれまで僕が所属していたバイオマス発電所の一般的な組織割りになっています。
バイオマス発電所単体で経営している会社では所長(社長)、副所長、管理職1~3名、運転員8~10名、保全員2~5名、事務員3~5名で、全体として15~30名で成り立っている所が多いです。
同敷地内に別工場があり保全や事務を別部署で賄える場合は、僕の経験を例にすると製紙会社時代に保全や総務は製紙会社側に組織があったためバイオマス発電所は「動力課」という位置づけで運転員+管理職のみの構成でした。
その後転職した最初のバイオマス発電所は社長、所長、副所長(BT)、部長(電気主任)、発電部(運転員12名)、業務部(5名)となっていて保全部は無く、保全に関連した実務は発電部で行っていました。
会社によって多少の違いはあれど、たいていはこんな感じの組織で成り立っていると思います。
機会があれば組織別の業務内容についてもっと詳しく解説したいと思います。
僕の製紙会社時代や前職のバイオマス発電所での話もいつか書けたらいいですね!
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