プラントでは高圧以上の電気を電力会社から受電しているので必ず電気主任技術者が選任されています。
電気主任技術者に選任される人と言うのはその会社で電気専門の仕事を長年行ってきた相当の知識を持つ人が選ばれることがほとんどで、製紙会社時代に僕のプラントに選任されていた電気主任技術者の人はその工場で30年以上電気一筋で仕事をしてきている大ベテランの方でした。
しかしこれがバイオマス発電所となると話が変わってきて、最近になって建設されたバイオマス発電所では会社自体がまだ若いので電気主任技術者もベテランと呼べる人がいません。
そうなると他のプラントからベテランの電気主任技術者を引っ張てくる必要があるので、僕のいた所では前職・現職共に他プラントを定年したOBのベテランおじいちゃんが電気主任技術者に選任されていました。
ちなみに現職の電気主任技術者はなんと御年70に迫らんとする元大手プラント出身の大ベテランで、知識や経験も凄いとても頼りになる物知りおじいちゃんです。
電気主任技術者というのは立場的にボイラータービン主任技術者と同じ権限を持っているし、製紙会社や前職にいた際は電気主任技術者のベテランはとても優秀な方で工場内でも相当な発言力を持っていたのですが、なぜか現職ではそんな電気主任技術者が軽視されるという意味不明な扱いをされています。
予算会議での出来事
弊社では今まで故障した機器の色んな予備品をその都度購入し確保するという「事後保全」をしてきていたのですが、最近はCBM(コンベクション・ベース・メンテナンス)といってプラントの設備状態に対して劣化などを予測し予め修理や部品交換をするという取り組みを開始しています。
そんな中で今後交換が必要となるであろう予備品をピックアップして予算を取ろうと言う会議にて、電気主任技術者のおじいちゃん(通称:電気翁)から電気・計装関係の予備品についての提案がありました。
計装空気バルブはダイヤフラムが劣化してくるから予備品いくつか持っておいた方が良い。
計装バルブのダイヤフラムは製紙会社時代に実際劣化で動作不良を起こしたことがあるので確かになーと思ったのですが
いらんいらんwたかだか数年であんな所やられはせんよw
と所長に一蹴されました。やられないって言いきれるのが凄いですね。
また他にも
インバータ関係の予備品は各種1個づつ揃えておいた方が良いと思う。
特に○○(重要機器)の物は今、納期が数年待ちだから早めに発注掛けとくべき。
という案に対しても
インバータ!?あんなもの僕いたプラントでも壊れたなんて聞いたことないよw
などと、やたら電気翁の言う意見に対して否定的なことばかり言って、結局あまり要望が通ることはありませんでした。
電気部品、特にインバータ関係の部品は結構お値段が高額なものが多いのでそういった視点から渋るのは仕方ないことですが、そもそも弊社には電気に詳しい人なんてこの電気翁くらいしかいないのになぜこの人の意見を軽視するのかちょっと理解に苦しみます。
納期数年待ちの機器が万が一にもなにかあったらどうするつもりなんでしょう?僕が所長の立場なら不安で怖すぎて寝れませんが、所長は壊れないことに余程自信があるみたいです。
今回の一件は氷山の一角で、普段からこんな感じで何かと冷遇されているのですっかりヘソを曲げてしまっており、最近ではもう知らんとばかりに淡々と自分の仕事をこなして定時ピッタリに帰宅するという上司としては理想的?なムーブをするようになってしまいました。
僕は会社内で唯一電気設備に強い人なので何かあったらこの人に相談することも多いんですが、悲しいかな本人は早く辞めたがっているので今後が不安で仕方ありません。
お願いだからもう少しお互いをリスペクトして仕事して欲しい所です。
今の所電気関係で大きな設備トラブルは起きていないので良いんですが、何かあった時どこまで対応してくれるのか・・・最悪自分に回ってきそうで戦々恐々としてます・・・
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